このページでは、お客様から弊社へ頂いた質問の中から、特にお問い合わせの多いものを掲載しております。
お捜しの内容が見つからない場合は、こちらまでご連絡ください。
また、このページをご利用になる前に、必ず「はじめにお読みください」をご覧になり、その内容についてご了解いただきますようお願い申し上げます。
基礎知識
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- ソアノール™とは?
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三菱ケミカル(株)で製造しているエチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)の商標です。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル等と組み合わせ、多層のフィルム、シート、ボトル、チューブ、パイプ等を成形することができます。これらの成形物は、ソアノール™を使用することによりガスバリア性、溶剤バリア性、保香性に優れ、食品包装、医薬品包装、化粧品包装、農薬容器等の包装容器に幅広く使用することができます。
- ソアノール™の特徴は?
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ガスバリア性、耐溶剤性、耐油性、溶剤バリア性、高透明性、耐侯性、保香性、印刷適性、高光沢性、環境適応性等が挙げられます。
- ソアノール™の製造方法は?
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酢酸ビニルモノマーとエチレンから得られるエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を鹸化することにより、製造します。
- ソアノール™の化学構造は?
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エチレンとビニルアルコールのランダム共重合体です。
- ソアノール™の形状は?
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円柱状のペレットです。
- ソアノール™は滑剤を含んでいますか?
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滑剤を含んでいるグレード、含まないグレードのいずれかをお選びいただけます。
- MFRとはどのような意味ですか?
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規定温度、荷重においてシリンダーから流れ出る10分間当たりの樹脂量です。高いMFRは低い樹脂粘度を示します。
- ソアノール™の衛生性は?
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厚生省告示370号に適合しています。またFDA 21CFR,§177、§175或いはCommission Regulation(EU)No.10/2011等をはじめとした海外の衛生法規にも適合しています。詳細につきましては弊社までお問い合せください。
グレード
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- ソアノール™の品種の選び方は?
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要求されるバリア性と加工方法により選択します。例えば低エチレン組成グレード(例29モル%)は高エチレン組成グレード(例44モル%)より常湿度下で優れたバリア性を有しています。一方、高エチレン組成グレードは低エチレン組成グレードより融点が低く、一般的に低い加工温度でも成形が容易です。他の選択要因としてはMFR(Melt Flow Rate)が挙げられます。MFRは成形条件により最適なものを選択してください。
- ソアノール™フィルムを販売していますか?
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弊社では、ソアノール™の樹脂ペレット販売のみを行っています。ソアノール™フィルムのご購入を希望される場合は、弊社にご相談ください。
- ソアノール™溶液タイプを販売していますか?
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弊社では、ソアノール™の溶液タイプを取り扱っております。詳しくは、弊社にご相談願います。
基礎物性・バリア性
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- ソアノール™の取扱い方法は?
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ソアノール™はポリアミドと同様、吸湿性の高い樹脂です。使用後に残った樹脂は必ず防湿袋で保管してください。吸湿した場合、水分量が0.3%以下になるまで乾燥してください。乾燥条件については別途、技術資料を参照願います。
- ソアノール™フィルムの透明性は?
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非常に高い透明性を有します。
- ソアノール™のバリア性は湿度に依存しますか?
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湿度が高くなるとバリア性が低下します。通常ソアノール™は防湿性のある他樹脂との多層構成にて使用します。
- ソアノール™の厚みはどのようにして
決めるのですか? -
包装形態、シェルフライフと許容される酸素濃度より必要とするバリア性、機械的特性を決めてください。それに応じたグレードより厚みを決定します。
- ソアノール™のバリア性は厚みに依存しますか?
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厚みと透過するガス量は反比例の関係にあります。厚みが大きくなるとバリア性は向上します。
成形加工・フィルム加工
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- ソアノール™の成形方法は?
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L/D=24~30、CR=3~3.5のスクリューを用いての成形をお薦めします。一般的な温度条件は190~230℃です。熱による分解を抑えるために250℃を越えないようにご注意ください。詳細は加工技術の項をご覧願います。
- 推奨のスクリュー形状は?
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ポリアミドに使用するような急圧縮タイプのスクリューの使用は避けてください。圧縮部のピッチ数は少なくとも4以上が必要ですが、この必要数はL/D、圧縮比により若干変わります。圧縮部のピッチ数が1~3の急圧縮タイプのスクリューは高回転の押出機においては特にトラブルが発生しやすくなります。標準的なピッチ数は全体のピッチ数を100とした場合、供給部30~40、圧縮部20~25、計量部35~50となります。
- どのような成形ラインが必要ですか?
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ソアノール™を使用して積層(共押)成形物を作るには、通常、最低でも2台の押出機を必要とします。ソアノール™用、基材用の押出機がそれぞれ必要となります。必要に応じて接着樹脂用の押出機もご使用ください。
- ソアノール™の成形に特別な装置は必要ですか?
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特別な装置は必要ありません。ただし、加工中のトラブルを抑えるために、滞留部を作らない、溶融樹脂が残留しないようなスクリュー形状、押出機中に樹脂が残らない吐出能力、樹脂流路のメッキ等に配慮しなければなりません。
- ソアノール™に適している接着性樹脂は?
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各樹脂メーカーがEVOH用の接着性樹脂を販売しています。詳細についてはこれらのメーカーまたは弊社までお問い合せください。
- ソアノール™のヒートシール性は?
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ソアノール™は他樹脂より融点が高いため、通常はヒートシール層として使用しません。
- ボイルあるいはレトルト処理により、
ソアノール™のバリア性は低下しますか? -
条件によりバリア性の低下を抑えることは可能です。処理後一時的にバリア性が低下したり白化等の外観低下を招くことがあります。このような場合には、専用グレードを使用頂くことをお勧めします。
- 分解掃除前のパージ方法は?
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加工終了後、速やかにMFR=1程度のLDPEで置換してください。
トラブル対応
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- ソアノール™層の発泡の解決方法は?
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以下の項目を確認してください。
- 1.ソアノール™が吸湿している場合は90~110℃にて循環式ドライヤーまたはホッパードライヤーにて乾燥させてください。
- 2.加工温度の上昇、何らかの原因により加工温度が240℃以上に上昇している場合は、シリンダー、ダイスの温度を下げてください。
- 3.スクリュー形状の不適
- 4.不適切な加工条件の選択
これらの項目の確認後も発泡が改善しない場合は、弊社までご連絡ください。
- 加工中の微小ゲルが発生するのはなぜですか?
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- 1.混練不十分
スクリューが短すぎたり、吐出の大きな押出機を低速で使用した等の場合に発生します。 - 2.EVOHの分解物
EVOHは熱劣化する樹脂ですので、高い成形温度、長時間の滞留により分解またはゲル化することがあります。 - 3.低加工温度
加工温度が低い場合に、まれに発生します。
- 1.混練不十分
- ネックインを小さくするには?
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EVOHはポリエチレンよりネックインしやすい傾向があります。以下の項目を確認してください。
- 1.エアギャップをできるだけ狭くする。
- 2.ダイス温度を低くする。
- 3.吐出量と巻き取り速度のバランスを調整する。