2023年12月26日エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂「ソアノール™」およびリサイクル助剤「ソアレジン™」を含む多層フィルムのリサイクル認証取得について
三菱ケミカルグループ※1(以下「当社グループ」)は、食品包装材などに使われるエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(以下「EVOH」)「ソアノール™」を使用した多層フィルム、およびリサイクル助剤「ソアレジン™」を添加した多層フィルムが、北米のリサイクル認証機関であるThe Association of Plastic Recyclers(以下「APR」)によるリサイクル認証を取得したことをお知らせします。
EVOHは高いガスバリア性を有しており、食品包装材として用いることで、食品の風味や品質を長持ちさせ食品ロスの削減に貢献することが可能です。また、他素材に比べて薄膜化することが可能で、プラスチック使用量の削減にも貢献することから環境配慮型の素材として世界で需要が拡大しています。このような状況下、食品包装材をはじめとするプラスチック製品は資源循環の観点から素材のリサイクル性が求められおり、EVOHについてもリサイクル技術の開発が進められています。
一般的にEVOHをバリア層として使用した多層フィルムでは、他の層にポリエチレンなどの樹脂が使われます。欧米の主要な業界団体のガイドラインでは、EVOHの含有率が5wt%までであれば、EVOHを使用したポリオレフィン系の多層フィルムのリサイクルが可能と規定されています。
さらに、このたびAPRのPE Critical Guidance criteria FPE-CG-01に基づいた試験では、当社グループのソアノール™の含有率が10wt%のポリエチレンベース多層フィルムにおいてもリサイクルが可能との結果が得られました。また、当社グループのリサイクル助剤であるソアレジン™についても併用することが可能であると認証されました。ソアレジン™を組み合わせて使用することにより、他の樹脂との相溶性が高まり、リサイクル材の品質をさらに向上させることが可能となります。これに基づくリサイクル認証取得は、ソアノール™が食品ロス削減のみならず、資源循環にも貢献する素材であることをあらためて裏付けたものといえます。
当社グループは、2021年12月に発表した新経営方針「Forging the future未来を拓く」においてヘルスケア&ライフサイエンスを最重要戦略市場のひとつと位置付け、食品関連領域をターゲットとした高機能包装材など、持続可能な食品供給に向けたイノベーションを牽引していきます。
- APRについて
設立 | 1992年 |
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所在地 | アメリカ ワシントンDC |
代表者 | Steve Alexander (President & CEO) |
事業内容 | 包装材などのリサイクル性の分類、認証とリサイクルの推進、教育を行う企業 |
URL | https://plasticsrecycling.org/ |
以上
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- 三菱ケミカルグループ株式会社
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