ソアノール™のサステナビリティへの貢献

ソアノール™のサステナビリティへの貢献

SDGsへの貢献

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」は、豊かで活力ある未来をつくるため17の目標を定め、2030年までの達成を目指す世界規模の取り組みです。ソアノール™は社会課題の解決に取り組み、SDGsの目標達成に向けて、国際社会の一員として貢献してまいります。

ソアノール™が貢献する
SDGs目標

2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、
持続可能な農業を促進する

12.持続可能な生産消費形態を
確保する

13.気候変動及びその影響を軽減するための
緊急対策を講じる

14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、
持続可能な形で利用する

食の安全、食品ロスの低減に貢献

食品安全の確保

ソアノール™を使用したバリア包材・容器で食品を包装することで、食品の腐敗を抑え、輸送に時間を要する遠隔地までより安全な状態で食品を届けることができるようになります。
私たちは、お客様の食品安全性を確保するためのソリューション開発をサポートしています。

  • 消費期限延長
    消費期限延長消費期限延長

    ソアノール™を使用することにより、食品の腐敗を抑え、消費期限の延長に寄与

    Example...

    ・MAP包装・スキンパック包装
    → 生鮮食品(精肉、鮮魚)や惣菜(中食)等
    ・ハイバリアカップ
    → チルド飲料、ゼリー、ヨーグルト等

食品ロスの低減

食品ロスは、循環型社会の実現において大きな課題となっています。
他の樹脂に比べて優れたガスバリア性を有するソアノール™を食品包装の材料に使用することにより食品の腐敗を抑え鮮度を保ち、消費期限・賞味期限が延長されることで、食品ロスを大幅に低減することができます。

  • 鮮度保持
    鮮度保持鮮度保持

    開封後も内容物の酸化劣化を抑制し、鮮度を保持。
    鮮度劣化による廃棄を抑制。

    Example...

    ・調味料用ボトル
    → 醤油、油、ソース、マヨネーズ等
  • 個包装化
    個包装化個包装化

    生活様式の多様化や食品適量化のニーズから、
    個包装で提供される食品が増加。
    個包装は通常包装よりも外気に触れる面積比率が
    大きいため、ガスバリア性の高いソアノール™が不可欠。

    Example...

    ・ハイバリアトレー・カップ
    → 米飯、コーヒーカプセル、ポテトチップス等
    ・バリアフィルム
    → ハム、チーズ等

食品廃棄の問題は、世界で最も解決されるべき問題の一つです。
世界全体での食品廃棄量は13億トンに上ります。これは生産された食料の三分の一に相当*1します。
一方で、世界中で飢えや栄養不良に苦しむ人々は8億人*2に及んでいます。
今後、世界人口が2030年には87億人に到達し、2050年には97億人(2017年はおよそ75億人)まで急増することが予想*3される中、効率的な食料資源の活用は喫緊の課題です。
国連では「2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層および幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食糧を十分得られるようにする。」、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。」という目標をSDGsで定めており、食品の安全確保と食品ロスの削減は全世界で克服すべき課題となっています。

  • *1.国連食糧農業機関(FAO)
    「世界の食料ロスと食料廃棄」(2011年)
  • *2.「世界の食料安全保障と栄養の現状」2018年版報告書
  • *3.国際連合「世界人口予測」2022年改訂版

廃プラスチック量の削減に寄与

廃プラスチック量の削減を求める声は日に日に大きくなっています。一方で、包材が担う機能はこれからも変わらず発揮されなければなりません。
ソアノール™を用いた素材は3R(Reduce, Reuse, Recycle)、中でも「Reduce」と「Recycle」の観点で廃プラスチック量の削減に貢献します。

ソアノール™の活用による包材の薄膜化

私たちは、秀でたガスバリア性を有するソアノール™を活用することで、包材の機能性を保持しつつ、プラスチックの使用量を削減することができると考えています。以下にソアノール™を活用した包材の薄膜化例をご紹介します。

ケース1:他樹脂から
ソアノール™への置き換え

包材中の樹脂をよりガスバリア性の高いソアノール™に置き換えることにより、薄膜化が可能となり、プラスチック量削減とガスバリア性確保の両立が可能となります。
例えば、PETやPAからソアノール™に置き換えることで、ガスバリア性を大幅に改善しつつプラスチック使用量を削減することができます。

ガスバリア性が大幅に改善

他樹脂からソアノール™への置き換えによる
包材量の削減(例)

バリア性を大幅に改善しつつ樹脂使用量を削減可能

ケース2:よりハイガスバリアな
グレードのソアノール™へ置き換え

既にソアノール™をご使用になっている場合でも、ソアノール™をよりハイガスバリア(より低エチレン組成)のグレードへ切り替えることにより、ガスバリア性を損なうことなく、プラスチック使用量の削減が可能となります。

ガスバリア性により優れる

ハイバリアグレードを使用することによる
包材量の削減(例)

1/5の厚みでも同等バリア

ケース3:非対称構成での
ソアノール™の使用

ソアノール™の層を低湿度側寄りに配置した非対称層構成とすることでソアノール™層の相対湿度が下がり、ガスバリア性を損なうことなくプラスチック使用量の削減が可能となります。

非対称構成による包材量の削減(例)

バリア性を維持しながらソアノール™の厚みを低減!

リサイクル可能なガスバリア素材
ソアノール™

EVOH エチレンビニルアルコール共重合樹脂 製品名:ソアノール™

サーキュラーエコノミーの実現に向けて、包材のマテリアルリサイクルは重要なテーマの1つとなっています。特に、包材の多くを占めるポリオレフィン系(PE・PP)において、高いリサイクル性を有する材料選定・構成設計が求められています。一方で、食品ロスの低減や、食の安全を守るためにガスバリア性は包材になくてはならない機能です。ソアノール™は高いガスバリア性とリサイクル性を両立させた稀有な材料であり、ソアノール™を使用した包材は既に欧米のサステナビリティに関する団体を中心にリサイクル可能であると認知されています。私たちは、お客様のリサイクル可能な包材設計・開発をサポートしています。

また、各国のサステナビリティに関する団体及びリサイクル検証機関と提携することで、ソアノール™を用いた包材におけるリサイクル性の認証取得を進めています。
ソアノール™事業のグローバルネットワークを活用することでソアノール™の高いリサイクル性を今後も訴求してまいります。
また、ソアノール™を用いた包材がさらにリサイクルされやすくなるように、リサイクル助剤:ソアレジン™を用いることができます。

ソアノール™を活用した
リサイクル可能な包材設計

ソアノール™(EVOH)は高いガスバリア性とリサイクル性を両立した環境対応型の高機能樹脂です。
その特徴から、包材のリサイクル性を向上させるために、他のガスバリア材料からソアノール™への切替検討が進んでいます。例えば、アルミ箔・PVDC・PETなどの材料はガスバリア性には優れますが、CEFLEXなどのガイドラインによるとこれらの材料はポリオレフィンとの相溶性に乏しいので、ポリオレフィン系の包材においてはリサイクルが難しいとされています。
ガスバリア材料としてソアノール™を活用することで、高いガスバリア性を有しつつ、リサイクル可能な包材設計を実現することができます。

リサイクルが難しい包材/リサイクル可能な包材

上記はイメージ図です。

具体的な構成に関しては、お問い合わせください。

リサイクル助剤 ソアレジン™

スクラップ材/スクラップ材+ソアレジン™

ソアレジン™シリーズは当社が開発したポリオレフィンとEVOHの相溶性を向上させるリサイクル助剤です。
このソアレジン™はポリオレフィンとソアノール™の相溶性を改善し、リサイクル材料の物性を向上させることができます。
ソアレジン™RGシリーズは包材の製造工程で発生するポリオレフィンとソアノール™などを含むプラスチック廃材(スクラップ材)に添加することで、高品質のリサイクル材料を提供することが可能となります。この技術は国内外の多くのシート・ボトル成形メーカー様でご採用いただいており、スクラップ材を再生層として有効利用することで、プラスチック廃棄量の削減に大きく貢献しております。
また、新たに開発したソアレジン™RCシリーズは、従来廃棄されていたフィルム製造工程でのスクラップ材をフィルムの原料として再利用することを可能とします。

シート/フィルム

リサイクル認証の取得

EVOHをバリア層として使用した包材では、他の層にポリエチレンなどの樹脂が使われます。多くのサステナビリティに関する団体のガイドラインでは、EVOHの含有率が5wt%までであれば、EVOHを使用したポリオレフィン系の多層包材のリサイクルが可能と規定されています。
欧州のリサイクル認証機関であるInstitute cyclos-HTP GmbH(cyclos-HTP)や、北米のリサイクル推進団体であるThe Association of Plastic Recyclers(APR)が実施した試験において、ソアノール™とソアレジン™を組み合わせて使用することによって、ソアノール™の含有率が5wt%以上、最大15wt%までリサイクルが可能であるという認証を取得しました。

これらに基づくリサイクル認証取得は、ソアノール™が食品ロス低減のみならず、資源循環にも貢献する素材であることをあらためて裏付けたものといえます。

◆ニュース
cyclos-HTP認証取得
APR認証取得

CERTIFICATE

カーボンニュートラル実現に向けて

ソアノール™の食品ロス低減による
GHG排出量の削減

食品の安全確保と食品ロスの低減は全世界で克服すべき課題となっています。
ガスバリア性に優れたソアノール™を食品包材の材料に使用することにより、食品の腐敗を抑え鮮度を保ち、消費期限・賞味期限を延ばすことができます。
ソアノール™は世界が直面する課題である食品ロスの低減に大きく寄与しています。
さらに食品ロスを大きく低減することは、不要に廃棄される食品の製造・廃棄に相当するGHG排出量の削減にも貢献していることになります。
当社前提に基づく試算によると、ソアノール™の製造時に排出するGHG量に比べて、ソアノール™を包材に使用して消費期限を延長する場合の食品ロス低減によるGHGの削減量は非常に大きいです。
ソアノール™は食品ロスの低減によりGHG排出削減、ひいてはカーボンニュートラル実現にも大きく貢献しています。

GHG(温室効果ガス)とは、大気中に含まれる二酸化炭素やメタンなど保温効果のあるガスの総称です。

ソアノール™の食品ロス削減効果は
樹脂製造による
GHG排出量に比べて
非常に大きい(当社試算)

ソアノール™の食品ロス低減によるGHG削減量/ソアノール™の製造によるGHG排出量

食品の安全確保と食品ロスの低減

消費期限延長/鮮度保持/個包装化

プラスチックの軽量化による
輸送に関わるGHG排出量の削減

金属容器やガラス瓶からソアノール™を使用した多層プラスチック容器へ変更することで、ガスバリア性を大きく損なうことなく軽量化が可能です。
また、当社での商品の体積と重量の比率および輸送モデルからの前提における試算によると、瓶代替により輸送時におけるGHG排出量が約50%削減するケースもあり、カーボンニュートラルへの貢献が期待されます。

例)瓶代替でGHG排出量約50%削減

バイオマスプラマーク認証を
取得したEVOH

バイオマス成分*を25wt%以上配合したソアノール™ PB7104Bを開発しました。本開発品は日本バイオマスプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマーク認証を取得しており、既存のソアノール™と同等条件での成形加工が可能です。
また、当社の前提に基づく試算によると、GHG排出量を一般EVOH比で3割削減可能であり、カーボンニュートラル実現への貢献が期待されます。

ソアノール™の加工技術

国際持続可能性カーボン認証
「ISCC PLUS認証」の取得について

ソアノール™は、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである ISCC(International Sustainability and Carbon Certification、国際持続可能性 カーボン認証)PLUS認証を下記拠点について2022年に取得し、以降も更新を継続しております。本認証はリサイクル原料やバイオマス原料などが、製品製造を含むサプライチェーン上で適切に管理されていることを担保するものです。

拠点 製品
岡山事業所 EVOH 樹脂「ソアノール™」

私たちは、ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)の最新の規定に則り、ISCC PLUS認証の要求事項に準拠することを約束し、宣言します。

ISCC PLUS認証を受けると、マスバランス方式※1で供給されるバイオマス原料やリサイクル原料の取扱いが可能になります。本認証の取得や認証製品の提供を通して、リサイクル原料やバイオマス原料を使用したサステナブルな製品の社会実装に貢献していきます。

※1マスバランス方式とは、複数の原料(例:石油由来原料と廃プラスチック由来のリサイクル原料)を混合して製品を製造する際に、使用した特定の原料(例:リサイクル原料)の割合を任意の製品へ割当てる流通管理方式です。